涙の一日の産生量と蒸発量
人間の目の表面には、10μm~40μm(マイクロメートル:0.01mm~0.04mm)の厚さの、涙の膜が張っているんよ。
涙は、目の潤いを保ったり、目に必要な酸素や栄養を運んでくれたり、キレイに見えるようにしてくれたりと、目を守るためにいろいろな働きがあるんよ。
一日の涙の量は?
毎日毎日、頑張っている『涙』
いったい、『涙』は毎日どれぐらいの量を作られているんやろ?
涙は1日で平均1㎖前後の量を作ると言われておるんよ。
それって、どうして分かったかゆうと、東京大学の眼科教授であった、三島済一教授のデータがあるねんて。
それによると、涙の産生量は毎分1.2μℓ(マイクロリットル)で、1時間にすると72μℓ。
え~っと、1日16時間起きとるとして、1152μℓ。寝ている間は目を閉じていてほとんど涙を流さへんから、1日の産生量は約1200μℓ。よく知っている㎖(ミリリットル)の単位で表すと、1.2㎖あるかないかやな~
μℓ(マイクロリットル)は体積の単位なんよ。
μℓは、何㎖(ミリリットル)かゆうと、
1μℓ=0.001㎖ 10μℓ=0.01㎖ 100μℓ=0.1㎖ 1000μℓ=1㎖
え~っと、わかりやすくいったら、毎日1㎖涙が作られるとして、1.2㎖としても、1年間で438㎖やから、500㎖のペットボトルが満杯にならない!!
う~ん、少ないな~
でもな~だからもっと涙増やそう思って水をガバガバ飲んでも、違うんよね~。
ただ、水を飲めば良いわけじゃあないんよな~
涙の蒸発量
涙の産生量は、1分で約1.2μℓやとして、じゃあ、蒸発量はどのぐらいあるんやろ?って思わへん?
慶應義塾大学眼科医の坪田一男教授の測定結果(多数例で測定)では、1分あたり0.09~0.102μℓの量が蒸発することがわかったんやて。
コンタクトレンズの世界的権威である、浜野光教授のデータによれば、1分あたり0.162μℓの量が蒸発するらしい。
これって、コンタクトレンズしてる時は、してない時の1.6倍~1.8倍は蒸発してるってことやんな~
この量でいくと、涙の蒸発率は、産生量に対して7.5~8.5%になるんやけど、これが、ドライアイの人で普段から涙が出ない人やったらどないなると思う?
涙の蒸発量は、自分の涙の機能とは違う話やから、人によってあんまり変わりはないと思うんよ。
でも、涙の産生量はドライアイの人は、健康な目の人と比べて約6分の1とも言われているんよ。
実際に、涙の量を測定するシルマーテストをしてみると、シルマー試験紙(ろ紙)に涙が浸透する量が、5mm以下の人が多くいてるんやけど、10mm以下の測定値の人はドライアイの人になるんよ。で、ドライアイの人、つまり5mm以下の人の、涙の産生量を計算すると、毎分0.2μℓになるんやて。
いいか~涙の産生量は、
健康な目の人で、1.2μℓ ドライアイの人で、0.2μℓ うわ~この差は大きい!
更に、更に!
蒸発量は0.09μℓ~0.102μℓと変わらないとしたら、ドライアイの人は涙の産生量に比べて、45%~51%もの量が蒸発するっちゅう計算になるんよ~
ぎぇ~~~! 半分やで!ドライアイの人は涙の半分も蒸発しとるんや~
そりゃあ、涙も出えへんわ~
目の表面に涙の層を張るだけで精一杯だよ~
やっぱ、涙は出すようにしてあげないと、目が可哀想やな~
せめて、ここでだけでも泣いとこ~